仲岡信人(丹波・丹波焼)について
中国発祥の「辰砂」を思わせる美しい赤紫「彩色灰釉」。
思い返すと、氏が独自に開発したこの色に魅かれて御縁が始まりました。
「辰砂」も「彩色灰釉」もベースは「銅」を使用しますが、この「銅」は釉薬の中でもとても不安定で有名です。
しかも、窯の中で揮発しやすく他の器への色移りを引き起こす原因ともなるので、陶芸家の中には極端に嫌う方も多いです。
その意味では、この色が出ているだけで既にこの焼物の希少性は高いとも言えますが、氏の表現はその色ばかりに依るのではなく、伝統的な和食器のフォルムから洋のアプローチまで多彩で、料理人からも広く愛されています。